2008.11.18 Tuesday
テクテクノロジーとオジサン

去る10/26日曜日に行われた、発明起業家藤村靖之さん、辻信一さん共著の
『テクテクノロジー革命〜非電化とスロービジネスが未来をひらく』
出版トークイベント。
この日はカフェスローの店員としてではなく、お客さんとしてお話を聴くことが出来たの で、その感想を書いてみようと思います。
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出版トークイベントは2部構成で、
第1部は藤村さんと辻さんによる「非電化 とスローがひらく未来」
第2部はおふたりに加えて、スロービジネススクール校長の中村隆市さんが加わり「みんなでテクテクノロジー革命」というテーマで進められました。
刊行に寄せての思い、現在の世界をめぐる状況について、科学技術、経済というジャンル以外にも、幅広いテーマと切り口で展開され、和やかな語り口でお話はとてもわかりやすく、中村隆市さんが加わってからはダジャレも飛び交い会場を湧かせていました。

本のタイトルにもなっている『テクテクノロジー』とは?
冷蔵庫にしても洗濯機にしても新幹線にしても、戦後の貧しさから抜け出すための「必要」から生み出された発明であったはず。物質的に豊かになり科学技術の恩恵も十分受けたはずなのに、必要以上に必要を生み出して、「もっとをモットー」(私もさりげなくおやじギャグに参加してみました。)に充足感で邁進し、さらにもっと速くと次はリニアモーターカーなんて言っている。必要を生み出して経済をどんどん大きくしていった結果、私たちはたくさんの「便利」を得ました。
しかし、「何か」がたくさん失われました。
便利をすこし捨てると、「何か」をたくさん得られる。「何か」の部分を言葉にすると、どこかしら気恥ずかしく陳腐な台詞になってしまいそうで、ここはあえて「何か」にとどめておくのが良いのかも知れないと考えるのが、高度経済成長の時代を生き抜いた「オジサン」。

一応オジサンのカテゴリーに属する辻さんが、その気恥ずかしい言葉を臆面なく使っていて、当初、オジサンの藤村さんは自分には到底真似出来ないと思っていた、けれども、最近では「何か」の部分を言葉にすることが出来るようになったそう。
そんな話なんかは、「オジサン」というのがテクノロジーと環境問題を語る上でのキーワードなような気がしてならない。私は女性だけど「何か」の部分を口にするのは苦手です。性別や年齢に関係なく私も「オジサン」のひとりなのだと思います。
経済を大きくしていくと、消費を大きくしないといけない。その消費を補って収入を稼がなければならない。経済を大きくしていけばいくほど忙しくなっていく、おかしいなと思いながらも抜け出せなくなっていく。

そこから抜け出した藤村さんは、
「競争」ではなく「共生」、
「グローバリズム」でなく「ローカリズム」。
環境を考慮に入れた非電化製品を作り、地域に根づくスロービジネスを起こすことを 提唱されます。
電気を使うのがいけないとか科学技術を否定しているのではない。全否定全肯定ではなく、テクテクと人間らしいペースで歩む科学技術、それが『テクテクノロジー』だ。

この本のタイトルに革命だの非電化だの刺激的な言葉(笑)が使われているけれど、私は少しも過激だと思わない。テクテクと人間らしいペースで歩むことを提唱したことは確かに革命だけれども。心はオジサンな私にはいろいろと考えさせられるお話ばかりでした。
トークイベントでのお話の内容が、環境、食、科学、病、農、住、経済等、多岐に渡っていることからも、この世の中で起こってる様々な問題というのは、相互に影響し合い、その複雑さを深め合っているのだろうと今更ながら思う。「つながり」というのは良いことばかりの繋がりではなく、ひとつの悪しき習慣も別の悪しき習慣に繋がっているんだという感覚とか認識が必要なんじゃないかと思います。
だから、「そんなことは分かりきっている」とか「そんなこと当たり前」などと達観しているようなことでも、まるで初めて接する発見や驚きを感じるように、どんな小さなことでも真新しいまっさらな気持ちで挑まなければならないんじゃないかと思いました。
しみやん

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